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MY FIRST FENDER - Nakajin(SEKAI NO OWARI)【前編】

今年で誕生から35年となる日本製フェンダーは、これまでも日本のみならず、世界中から愛され続けてきました。その安定した品質から多くの信頼を得ており、いつの時代も、ステージに立つことを夢見るプレイヤーから広く支持されています。その日本製フェンダーと共に過ごし、ミュージシャンとしての夢を叶えたアーティストが、実際に使用していた「はじまりの1本」に対する思い出を語ります。

My First Fender

巨大テーマパークのような圧倒的なスケールと、老若男女問わず幅広いリスナーに親しまれるメロディーで、シーンの旗手として常に新しい音楽を創造し続けるSEKAI NO OWARI。作詞/作曲のほかサウンドプロデュースを務め、ライブではさまざまな楽器も担当するNakajinに、音楽を始めるきっかけ、ビギナー時代から愛用し続けている日本製フェンダーギターとの出会い、手放せない理由、そしてその魅力について話を聞いた。

少年ながら自分もやってみたいなと思えたのがゆずさんだったんだと思います。
 

―  Nakajinさんがギターを始めたきっかけは何でしょうか。

Nakajin   物置の中に父親のアコースティックギターがあったのは知っていたけど、ギターにそこまで興味は示していなかったんです。で、僕が中学校1年生の頃、ゆずさんがシングル「夏色」でメジャーデビューをして。デビュー当時はアコースティックギターと歌声だけで完結するような曲もたくさんあったし、ギターと歌だけという最小限の音数で成立する音楽に惹かれて、そう言えば物置に父親のギターがあったなと思って触りだしたのが最初です。ポーンと弦を鳴らしたり指をスライドさせたりして、でも弦はめっちゃ錆びているからすぐに弦が切れちゃったり。

―  お父さんに教えてもらったりしたんですか?

Nakajin   いや、最初は弾き方がわからなかったので教則本を買いました。ゆずさんの『ゆずえん』というメジャー2ndアルバムがあるんですけど、『ゆずえん』で始めるギター入門みたいな教則本を買って、それを見ながらチューニングやコードフォームを学んでいったんです。一番最初に弾けるようになった曲はゆずさんの「友達の唄」です。

―  確かにゆずさんの初期の作品ってミニマムですよね。

Nakajin   僕がゆずさんを好きになった頃はメジャーデビューをされていたので、路上ライブもやっていなくて。路上ライブを見に行きたかったと思っていたタイプですね。

―  他にも違う音楽を聴いていたと思いますが、ゆずさんはそれほどの衝撃があったんですね。

Nakajin   すごく生々しいなと思ったんです。編成が少ないのもそうだし、2人のキャラクターにも親しみを覚えて、少年ながら自分もやってみたいなと思えたのがゆずさんだったんだと思います。当時はバンドも元気だった時期だと思うんですよ。GLAYさんとかL'Arc~en~Cielさんも好きで聴いていたんですけど、自分がやろうと思えたのはゆずさんの感じだなと思って、それがキッカケで始めました。

―  ゆずさんがギターを始めたきっかけということは、ギタリストというよりも自分も歌いたいという気持ちもあったんでしょうか。

Nakajin   最初はそうでしたね。ギターで聴かせるというよりは弾き語りスタイルでやっていました何かCDと違うんじゃないかなって。それ以降は耳コピに切り替えて、ゆずさんの曲を聴いては耳コピする日々が楽しくなってずっとやってましたね。耳コピのやり方なんてわからなかったんですけど、最終的にゆずさんの楽曲はほぼ全部弾けるくらいになりました。

―  エレキギターを弾いてみようと思ったキッカケは何だったんですか?

Nakajin   高校生になった頃に、メロコアを聴き始めたんです。僕らの周りで流行ったものでは、オフスプリングとかグリーン・デイ、ブリンク182、日本のバンドだったらHi-STANDARDさんとかSNAIL RAMPさんとか。SNAIL RAMPさんを『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』で見たときに衝撃を受けて、そうなるとアコギでは物足りないなと思ってエレキギターに興味を持ち始めました。僕の母方の叔母さんが実家の隣に住んでいて、その叔母さんは音楽が好きで、楽器もプレイするんですけどエレキギターを持っていたんですよね。それが白ボディにべっこう柄のピックガードがついたフェンダーJaguarで、ちょっと弾かせてくれないかと弾かせてもらったのが最初で。あまりにも僕が弾きに来るのを見かねてか、そのJaguarを貸してくれて自分の家に持ち帰って弾いてたんですけど、叔母さんの都合でJaguarとTelecasterを替えてくれて。それがこのTelecasterです。だからこれは叔母さんのTelecasterなんです(笑)。

―  カッコいい叔母さんですね(笑)。

Nakajin   叔母さんはアコーディオンも弾けるし、バスリコーダーという馬鹿でかいリコーダーもできるし、ママさん友達でコーラスグループをやっていたり、ザ・ビートルズをベースでコピーしていたりかなりマルチなプレイヤーなんですよね(笑)。

―  いろいろな弦楽器を取り入れているのは、叔母さんの影響もあったりするんでしょうか。

Nakajin   どうなんですかね。でも身近に音楽をやっている人はこんなにいたんだなって。誕生日に家族がお祝いしたいと言ってくれて、叔母さんの家でやったんですけど、中学生の女の子と小学校1年生になったばかりの男の子の従兄弟2人がバイオリンを披露してくれたり、そのあとに僕の母と姉と従兄弟と叔母さんがリコーダーのカルテットで数曲演奏してくれて、リコーダーを吹いているところなんて見たことがなかったんですけど、何これ音楽一家じゃんって思いましたね(笑)。

―  ギタリストとしての目覚めは、エレキギターを持ったタイミングなのでしょうか?

Nakajin   そうかもしれないですね。高校に入ってエレキギターに持ち替えてからも、同じように好きな曲を耳コピするのが日課でした。学校から帰ってきたら速攻で自分の部屋に行って、片耳で音源を聴いて、片耳でアンプから出した自分のギターの音を聴いて、曲に合わせて弾くというのを飽きずにひたすらやってましたね。中でもHi-STANDARDの横山健さんのプレイが好きで、メロコア/パンクバンドなんだけど、ギターソロも歌えるくらいキャッチーだし、勢いで押し切るだけじゃない多彩なプレイを見せてくれたので耳コピのしがいもあって。その頃は弾き語るというよりは、ギタリスト的な感覚で弾いていたのかもしれないですね。

―  そして2006年に ライヴハウス『club EARTH』を自分たちの手で作り上げるんですよね。

Nakajin   そうですね。『club EARTH』でライブをするバンドとしてSEKAI NO OWARIを結成しました。

―  その発想が面白いですよね。

Nakajin   『club EARTH』という場所を作って、そこでライブするバンドとしてSEKAI NO OWARIを結成するという。その前からFukaseとはバンドを組んでいたけど、結局2人だけ残ってしまって。だからFukaseとは18歳の頃から音楽制作をやっていて、Fukaseも中学生の頃からゆずさんが好きだったので、それから仲良くなって一緒に公園とか河原でアコギとハーモニカを持って2人で演奏したり。

―  ライブハウスを作るとは思い切ってますよね。

Nakajin   僕も思い切りたいと思っていたんだと思います。中学生の頃にゆずさんがきっかけでギターを持ってから、何となくミュージシャンになりたいという夢は持ち始めていたんだけど、人に言えるほど大きなことではないと思っていました。きっかけがあれば音楽の道を目指すという夢は頭の片隅にあったけど、踏み切れない部分があったので、“ライブハウスを作ろうぜ”ってFukaseに誘われたときに何かがパーン!とハジけたんだと思います。だから無謀にも踏み切れたんだろうなって。

› 後編に続く

My First Fender

TELECASTER®
2本目のエレキギターとして手にしたのが、叔母さんから譲り受けたという日本製のTELECASTER®。シリアルナンバーから1987年に制作されたモデルで、アルバム『EARTH』の収録曲「虹色の戦争」のミュージックビデオではFukaseが手にしており、最新曲「Hollow」のレコーディングで使用するなど現役で活躍。一切改造はしていないものの、“このTELECASTER®にしか出せない音がある”と語るほど愛着を持っており、彼にとってなくてはならない存在となっている。


Nakajin(SEKAI NO OWARI)
メンバーは、Nakajin、Fukase、Saori、DJ LOVE。
2010年、突如音楽シーンに現れた4人組バンド「SEKAI NO OWARI」。同年4月1stアルバム「EARTH」をリリース後、2011年8月にTOY’S FACTORYよりメジャーデビュー。 2014年8月には、初の映画作品「TOKYO FANTASY」の公開。同年10月には、富士急ハイランドにて、6万人規模の野外ワンマンライブの開催。そして、2015年1月14日には、アルバム「Tree」をリリース。圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感、テーマパークの様な世界観溢れるライブ演出で、子供から大人まで幅広いリスナーにアプローチ、「セカオワ現象」とも呼ばれる加速度的なスピード感で認知を拡大した。

また、2015年7月18日、19日には日本最大規模の会場日産スタジアムにて「Twilight City」、2016年アリーナツアー「The Dinner」、2017年ドーム・スタジアムツアー「タルカス」を完遂。2017年7月「メアリと魔女の花」の主題歌「RAIN」をリリース。加えて、2018年には、伝説と言われた野外ワンマンライブの全国ツアーを開催することを発表。名実ともに、日本を代表するグループとなったSEKAI NO OWARI。新しい音楽シーンの最前線の旗手として、止まることなく、攻め続ける新世代の才能である。

› SEKAI NO OWARI:https://sekainoowari.jp



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