1958年に発表されたJazzmaster®は、ジャズアーティストの為に製作されましたが、その後に廃番となりました。質屋や倉庫などで埃まみれになっているところを、当時全く新しい音楽を想像していたサーフロック、ノイズ、シューゲイザーまたは、カントリーミュージシャン達に見つけ出され、受け入れられました。発表から60年経った今も、Jazzmaster®はクリエイティブな境界線を推し進める為に、新しい方法を模索しているアーティストや、アンチヒーローの為のツールとして、変わりなく存在しています。
AJ HAYNES: 女性の声の力強さとその力
音楽フェスのラインナップを見てみると、音楽業界においてまだまだ、男性社会であることを感じさせられます。ここ数年の間に、女性アーティストは大きく躍進をしていますが、それでもまだ男性アーティストとその声、テレビやラジオでの放送、メディア報道などが大きいことがわかります。文化の多様性、特にアメリカのロックシーンに同じような状況をみることができます。しかし、AJ ヘインズ(ルイジアナ出身のバンド:Seratonesの黒人ギタリストであり、ヴォーカリスト)のサウンドを聞いてみると、それらが真実ではないと思うでしょう。ヘインズがギターを手に取り、歌い始めた時に感じる問題は、そのパワフルなサウンドでスピーカーが爆発しないかどうかだけです。
シュリーブポート(ルイジアナ州の北西端に位置する都市)のサザンロックバンドのフロント(ウー)マンである彼女が、女性シンガーだからといってもてはやされてる訳ではありません。それこそ彼女自身がもっともされたくない事でしょう。「誰もが戦っているの、戦いの一部分は、女性の地位向上の為にどうしたらいいかを考えること。今まで無かったことをどうやって導いていくかを。あなた知ってる?私はほとんどの時間を雌牛のような感じで過ごしているのよ。もし誰かが問題を持ち込んだら、くたばれって言って戦うしかないの。」
それでも、彼女が期待されている役割は変わりません。誰でも意見を持って生きていますが、特にステージに上がる女性アーティストは、自分の意見をはっきりと持っています。「みんな女性に対して、どのように振る舞うべきだとか、どんな風に感情をコントロールすべきだとか、見た目の事とか、外に出るべきではないとか、色々言いたがる傾向にあるの。」彼女は続けます。「一方では一種のフェティシズムが存在し、一方では畏怖の念を感じるわ "それはどういう意味?" "そこに何があるの?"って。」その答えはあるのでしょうか?実際、女性ミュージシャンである事にどんな意味があるのでしょう。「答えなんてわかる訳ないでしょう?他の人たちと同じように、日々間違いや正しい事を繰り返しながら、考えているわ。」
彼女はルイジアナ州の農村部で幼少期を過ごしました。広大な土地と、過保護ではない親の存在が理想的だったと彼女は言います。なぜなら「自分は大丈夫だ」という事だけ理解できたからです。しかし、明らかに毒ヘビを探すように「黒い未亡人と遊んではダメ」という人達もいました。学校を卒業した後、彼女とバンドのメンバーはシュリーブポートでDIYのショーを始めました。
シュリーブポートの様な場所、つまり「いる場所を失った弱者の街に住むこと」それはバンドのサウンドに影響を与える運命でした。彼女とSeratonesのメンバーにとって、過去と進化する現在を交差させることは、サウンドと作詞作曲に大きな影響を与えました。「シュリーブポートは、私の音楽に影響を与えた数多くの出来事の中心にあるわ。過去と現在の間でもがいてるの。少し夢中になったり、ちょっと楽観的になったり、過去を思い出して気分が悪くなったり。」「それらの感情や不満は、作詞作曲にとてもいい影響を与えてるわ。」彼女は、文化的に隔離された田舎で育ったことに対して、一長一短があったと感じています。「私がここで経験した奇妙なことはこれだけ。流行を追いかけたいと思った訳ではなくて、"私は退屈なの、だから私の手で何かをしたい "。」彼女の演奏を聞くと、その完璧な答えを見つけた様に聞こえます。
LIMITED EDITION 60TH ANNIVERSARY '58 JAZZMASTER®
60年前、レオ・フェンダーはエレクトリックギターの頂点としてJazzmaster®を発表しました。オリジナルの58年Jazzmaster®は革新的なオフセットシェイプにユニークなピックアップを搭載し、フレキシブルなリズム/リードの回路を取り入れ、かつ、初めてローズウッド材をフィンガーボードに採用したモデルでした。この画期的なギターのオリジナルプロトタイプへのオマージュである60th Anniversary '58 Jazzmaster®は、歴史的な瞬間を感じ取ることができる唯一のモデルです。