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カリフォルニアウィーク

2018年9月29日(土)マリンアンドウォークヨコハマにて行われた、雑誌「Safari」とのコラボイベントの模様をレポート。

Safari

9月29日(土)マリンアンドウォークヨコハマで行われた「カリフォルニアウィーク」にて、フェンダーが雑誌「Safari」とコラボした1日限りのスペシャルイベントを開催。R&Bやブラックミュージックをベースにした、都会的でソウルフルなバンドサウンドで人気のFIVE NEW OLDがミニライヴを行った。

本イベントは大人の男性ファッションやライフスタイルをテーマに、雑誌「Safari」の編集長とモデルの西山茉希によるトークショーも行われた。FIVE NEW OLDのメンバーはそれぞれ、こだわりの私服で登場。いつもとは違ったアコースティック編成でライヴを行い、わずか3曲という短いライヴではあったが、カリフォルニアというイベントのテーマにもぴったりな、どこかチルアウトした雰囲気で、乾いた心地の良い風が吹くようなライヴを展開。集まった観客に、まるでカリフォルニアのビーチにいるような、癒しのひとときを提供した。

1曲目の「Gold Plate」は、アコースティックギターの乾いた音色が、ゆったりとしたリズムにマッチ。WATARU(Gt,Key,Cho)が弾くフェンダーAMERICAN ORIGINAL '50S STRATOCASTERの丸みを帯びたサウンドとも実に好相性だ。HIROSHI(Vo,Gt)の歌声は実にエモーショナルで、ファルセットのハイトーンを響かせると、会場からは歓声と拍手が沸き起こった。

間奏と楽曲の終盤では、WATARUが透き通るほどピュアなクリーントーンで巧みなソロプレイを聴かせ、SHUN(Ba)のベースとHAYATO(Dr,Cho)のドラムが、それを引き立てるようにグルーヴィなリズムを叩き出す。その隙間を埋めるように奏でられたアコギもまた、控えめながら存在感のある音を響かせていた。

この日、HIROSHIが使用したアコースティックギターは、フェンダーのカリフォルニアシリーズNEWPORTER CLASSIC。少し小ぶりのボディという印象だが、ユニークな形状で存在感は抜群。コズミックターコイズのペイントはインパクトがあり、ヴィンテージ家具のような風合いで、大人の渋みと上品さが溢れている。ロックからブルースまで対応する大音量が持ち味で、バンド編成でオルタナティヴに多彩なサウンドを鳴らす、FIVE NEW OLDのようなバンドにはぴったりだ。

2曲目には、マルーン5のカバー曲「Sugar」を披露。原曲よりもテンポを落としたバージョンで、アコギの軽快なカッティングから演奏がスタート。まるでエレキをカッティングするような雰囲気で、それはきっとNEWPORTER CLASSICがエレキギターの感覚に近いネック形状をしているからで、HIROSHI自身もエレキを弾くような感覚で弾いていたのだろう。

アコースティックアンプにフェンダーのACOUSTIC PROが使用されていたのも特筆すべき点だ。この日の会場は店舗の一角を利用したスペースで、音楽を聴かせるには決して最適とは言えない環境だった。そんな中でもアコギの音をしっかり響かせていたのは、ACOUSTIC PROによるところも大きかっただろう。営業中のザワザワとした店内の隅々にまで、実にナチュラルにしっかりと音を届けていたという感じだ。

ラストに披露した「Ghost In My Place」は、エレキのカッティングと小気味のいいビート感が秀逸なナンバー。歌声にも軽やかさがあり、エレキとアコギのほどよいバランス感が、サウンドに膨らみを持たせていた。70年代のソウルを思わせるようなメロディに、現代的なエッセンスが加わり、どこか安心する感覚と新しさも感じさせる。英語の歌詞と、時折重なる絶妙なコーラス。それらをNEWPORTERのサウンドが、優しく包み込んでいるようだった。

MCで「僕たちの音楽は、聴いてくれる人の日常に華を添えるものでありたいと思っています。音楽もファッションも同じで、こだわらなければどこまでもシンプルでいられるけれど、そこにこだわりを持って手間をかけるから、人生に豊かさが加わるんじゃないかと思います」とコメントしたHIROSHI。彼らの持つこだわりは、ファッション、音楽、そして楽器や機材と、隅々にまで行き届いていると感じさせる心温まるライヴだった。


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