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鳴ル銅鑼インタビュー

近年のバンドシーンにおいて、次世代を担うアーティストの登竜門となっているのがサーキットイベントであることは、もはや言うまでもない。しかし、より大きなステージでプレイすることを目指す彼らの中でも、その夢を本当に叶えることができるのはほんの一握りだ。では、それを実現するアーティストの“理由”はどこにあるのか? フェンダーでは今回、“Play Something Different”というメッセージを持つCaliforniaシリーズからインスパイアを受け、その“理由”が“Play Something Different(=他と違う)”にあるのではないか?と仮定し、次世代アーティストたちの手にCaliforniaシリーズを届けるプロジェクトを実施。

来る5月13日(日)に新宿・歌舞伎町内にあるライヴハウス10カ所にて開催されるサーキットフェス「CONNECT 歌舞伎町 MUSIC FESTIVAL 2018」。そのフェスに出演するバンドにフェンダーがアコースティックギターを提供し、フェンダーアコースティックギターの魅力をライヴで体感してもらおうという特別企画。そんなスペシャルな企画に応募してくれたのが4ピースバンドの鳴ル銅鑼(ナルドラ)。果たして鳴ル銅鑼はフェンダーのアコースティックギターを「CONNECT 歌舞伎町 MUSIC FESTIVAL 2018」でどのように鳴らしてくれるのか? 鳴ル銅鑼のギター&コーラスである蒲信介が、ギターを選ぶためにフェンダーショールームに来てくれた。

HAMA OKAMOTO
僕はずっとフェンダー系のギターで生きてきた
 

―  バンドの結成は?

蒲信介(以下:蒲) 2013年です。メンバー全員が岐阜出身なんです。ヴォーカルの三輪和也とドラムの岩田遼平が小学校からの同級生で、僕とベースのグローバル徹が高校の同級生です。ベースとヴォーカルが大学で出会ってみんな繋がったんです。

―  鳴ル銅鑼はジャズの要素が入ったサウンドが特徴ですね。

蒲  鳴ル銅鑼の前身バンドがあったんです。その時はデスヴォイスでシャウトするような音楽をやっていたんですけど、バンドが解散して鳴ル銅鑼になるのですが、もともと僕が椿屋四重奏というジャズコードを使ったバンドが好きで、“ジャズコード使ったロックをやりたい”みたいな話をヴォーカルにしたところから始まったんです。

―  そもそもギターを始めたきっかけは?

蒲  ギター始めたきっかけはZONEというバンドです。ZONEが大好きで、彼女たちの日本武道館でのラストライヴのDVDを買って観ていたら、途中で各パートのソロ回しがあったんです。それがめちゃくちゃカッコ良くて、“俺も楽器やる!”ってなって。ただ、その時はベースソロが超カッコ良かったので“ベースやりてぇ!”と思ったんですけど、ベースの初心者セットよりもギターの初心者セットのほうが6千円くらい安かったんです。当時、まだ中学生だったのでお年玉が3万円くらいしかなくて、“まずは安いギターから初めていずれベースをやるか”と思ってギターを持ち始めて、そのままずっとギターです(笑)。

―  (笑)。ZONEもフェンダーのギターを使っていましたよね?

蒲  ええ。今回の企画を聞いた時に、ZONEのメンバーも当時Sonoranというアコギを弾いていたのを思い出したんです。Sonoranはヘッドがフェンダーのエレキと同じ形だったのがすごく斬新で、めちゃめちゃカッコ良くて欲しかったんですけど、当時はバンド活動を始めたばかりでエフェクターも揃えなきゃいけなくて結局は買わずじまいだったんです。でも、フェンダーのギターはかなり前からいろいろと使ってきました。

―  例えば?

蒲  ZONEがHANABI Stratocasterというモデルを限定300本で出したことがあったんです。職人さんの手作業によって花火のようなペイントが施されたストラトで、限定モデルということでマジで手に入らなくて。毎日ネットで中古楽器屋さんを探して、新潟のアポロンというビザールギターなどを扱っているお店で見つけて、すぐに電話して買いました。鳴ル銅鑼の初めてのPV「金津園」という曲でそのHANABI Stratocasterを弾いています。

それから一時期、メタルにハマったことがあったんです。その時にイングヴェイ・マルムスティーンに憧れて、スキャロップド加工してあるラージヘッドでクリームボディのStratocasterも買いました。今のライヴのサブギターは、フェンダーのエリック・クラプトンモデルです。あと、買ってはいないんですけど、ZONEが使っていたfホールのついたTelecaster Thinlineはずっと欲しかった。HANABI Stratocasterを買ったので、Telecaster Thinlineは泣く泣く諦めました。

―  かなりフェンダーのギターを使ってきてくれたわけですが、実際に弾いてきてどんなギターだと感じていますか?

蒲  最初は初心者セットのギターから入ったので、初めてHANABI Stratocasterを弾いた時、めちゃめちゃ弾きやすかったです。イングヴェイ・マルムスティーンのスキャロップ加工のストラトはさらに弾きやすくて、当時、何回も感動した覚えがあります。それと、僕はずっとフェンダー系のギターで生きてきたので、フェンダーの音が大好きです。Jazzmasterにも憧れていて、いつかは弾きたいと思っています。


フェンダーのギターを弾くのは、ロックツリーの一部になれる感覚
 

―  さて、来る5月13日(日)に開催される「CONNECT 歌舞伎町 MUSIC FESTIVAL 2018」フェンダーのアコースティックギターを使用されるとのことですが。

蒲  はい。選ばせてもらったのがNewporter Specialのブラックです。

―  Newporter Specialを選んだ理由は?

蒲  新品のギターとは思えないくらい鳴りが良くて感動しました。しかもこれで10万円以下なんですよね?

―  はい。

蒲  本当にすごいです。音の粒もすごく揃ってますし。ちなみに、ピックアップには何が載っているんですか?

―  フィッシュマンです。

蒲  僕もフィッシュマンのピックアップを載せたクラシックギターを持っていますが、最高ですよね。

―  ストラトヘッドもアコギとしてはユニークですよね。

蒲  いや、むしろ憧れですから。ZONEのSonoran以来の(笑)。

―  (笑)。カラーはなぜブラックを?

蒲  マットなブラックが気に入りました。マットだと照明を反射しないですし。ステージではそういうところも大事なので。

―  さて「CONNECT 歌舞伎町 MUSIC FESTIVAL 2018」のライヴでは、何の曲でこのNewporter Specialを弾いてもらえそうですか?

蒲  「空蝉」というアコギを使った色っぽい曲があるので、その曲でこのギターを使います。

―  今まで「空蝉」はライヴでどのように演奏してきたのですか?

蒲  ストリングスを入れたワンマンライヴや、インストアライヴなどアコースティックセットで演奏したことはあるのですが、バンドセットではまだ演奏してないんです。今回、せっかくの機会なのでぜひバンドセットでやってみようと思っています。

―  それは楽しみですね!

蒲  本当に楽しみです。「空蝉」を入れたセットリストは今まで組んだことがないので、いつもと違うステージになる予感もあります。20代後半の僕らが精一杯背伸びした、色っぽい音楽とステージを作れたらなと思っています。僕らのステージにお客さんがたくさん入ってほしい気持ちはもちろんありますけど、それ以上に不特定多数の人に“鳴ル銅鑼ってこういうバンドだよ”っていうのを濃く伝えられたらなと思います。サーキットイベントの魅力ってそこにあると思うので。

―  サーキットイベントの魅力を具体的に言うと?

蒲  埋もれている音楽の新発見が、リスナー側にもアーティスト側にもあると思います。実際、僕らは去年も「CONNECT 歌舞伎町 MUSIC FESTIVAL」に出演させてもらったんですけど、知らないバンドを観るのも楽しかったし、去年は先輩のビレッジマンズストアというバンドも出演していたんです。そのヴォーカルの水野ギイさんとフラっと新宿BLAZEに入ったらHave a Nice Day!が演奏していて…ヤラレたそうです。そういう出会いがあるからすごくいいと思います。

―  レコードやCDをジャケ買いする感覚でイベントに行く人もいそうですね。

蒲  そうですね。特にお目当てのバンドはいないけど、フラッと入ってみたっていう子も多いらしいです。それと、イベント自体を信頼して来るファンもいますしね。特に「CONNECT 歌舞伎町 MUSIC FESTIVAL」はLOFTグループの箱がいくつもあって、そうした箱のファンも来るし、そうした箱を信頼しているミュージシャンも出ているし、偶然すごいバンドを見つけるチャンスだと思いますね。

―  鳴ル銅鑼は去年に続いて2回目の出演となるわけですが、今年はどの箱で演奏するのですか?

蒲  去年は新宿SAMURAIという、新大久保に近い箱だったのですが、今年は新宿LOFTです。伝統あるライヴハウスだし、最近スピーカーを総入れ替えしてすごく音が良くなっているらしいので、それも超楽しみです。


鳴ル銅鑼
2013年、岐阜県にて結成。メンバーは、三輪和也(Vo,Gt)、蒲信介(Gt)、グローバル徹(Ba)、岩田遼平(Dr)。2013年3月、1stシングル「視覚」をリリース。ZIP-FM「FIND OUT」のマンスリークローザーに抜擢されると、「RO69JACK 2014」で優勝。その後「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」のステージに立ち、cinema staff主催の「OOPARTS」や「MINAMI WHEEL」にも出演。2015年、自身初となる全国流通盤1st EP「無知」をリリースするとスマッシュヒットを記録。2016年1月に1stフルアルバム「極彩色」をリリース。ツアーファイナルとして行った名古屋CLUB QUATTROワンマン公演でも大成功を収めた。2016年にリリースした2nd EP「文明開化」では、第9回CDショップ大賞2017東海ブロック賞を受賞。

» 鳴ル銅鑼:http://www.narudora.jp/