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go!go!vanillas「おはようカルチャーツアー2017 ~クライマックス今夜の僕ら編~」

2017年2月5日(日)にZepp Tokyoにて開催された「おはようカルチャーツアー2017 ~クライマックス今夜の僕ら編~」東京公演の模様をレポート。

Go-Go-Vanillas

プリミティブなロックンロール・サウンドで未来を切り開くgo!go!vanillasが、2017年2月5日(日)Zepp Tokyoにて「おはようカルチャーツアー2017 ~クライマックス今夜の僕ら編~」の東京公演を開催した。

夜月が浮かぶ紗幕に、突如として4人のシルエットが映し出されると、超満員の会場から割れんばかりの歓声と手拍子が沸き起こる。彼らにとって初めてのゼップワンマン。しかもソールドアウトとあってこの素晴しき光景に感化されたのか、1曲目「アクロス ザ ユニバーシティ」からトップギアで痛烈なロックンロール・サウンドをかき鳴らす。

ロックンロールは懐古的で時代遅れなんかじゃない。それを証明してみせるのは、プレイヤーとしての卓越した技量と存在感はもちろん、ポピュラリティを絶妙な配合でブレンドしたメロディ、音楽的な奥行きを感じさせる立体的なサウンドだ。そして、そのサウンドに生命力を宿しているのが、フェンダーと言っても過言ではないだろう。

柳沢進太郎(Gt)は、アンコールで披露された新曲を除くすべての楽曲を、フェンダー・カスタムショップ製のストラトキャスターで紡ぐ。バッキングでは“ジャキ”っとした鋭く小気味良いトーンを放ち、リードプレイやギターソロでは粘り気のあるファットなトーンを演出。ギターが身体の一部となって感情の機微を表現する姿は、まさにギターヒーロー然とした輝きを放っていた。

軽快なカントリー・ロックに熱気が加速度的に上昇する「ヒンキーディンキーパーティークルー」、バンド全体の音圧を底上げしたような「ニューゲーム」など、序盤から躍動的なロック・サウンドをフロアへ投げかける。プリズムな輝きを放つ各々の音色が、渾然一体となって押し寄せ、聴き手の脳裏にさまざまな情景を想起させるようだ。長谷川プリティ敬祐(Ba)はフェンダーのジャズベースをメインに使用。ボトムを支えながら、バンド・アンサンブルに血流をめぐらせるような有機的なフレーズを容赦なくキメまくる。

柳沢進太郎が作曲を手掛けボーカルを務める「12:25」では、寝起きの心地良い夢うつつを、クリーン・トーンを主体としたきらびやかなブリティッシュ・サウンドで表現。牧 達弥(Vo,Gt)の“みんなで踊るぞ!”という叫びから始まった「非実在少女」では、倍音豊かなクランチ・サウンドが柔らかく漂う。約3年半ぶりに披露された「ルーシア」で牧 達弥はアコギを、長谷川プリティ敬祐はプレシジョン・ベースを手にし、ストーリー性の強い楽曲を鮮やかに色付けいく。それにしても、プレベの音色はファットで、アコースティック主体の演奏を清々しく牽引していく。

サンバのリズムにアレンジした「あの素晴しい愛をもう一度」では、柳沢進太郎と長谷川プリティ敬祐に加えて、牧 達弥も愛機であるフェンダーのAmerican Vintage ’58 Telecasterを手にしてエバーグリーンなサウンドを奏でる。そのサウンドは、まだ自分が生まれていない遠い昔を回想させるようなノスタルジックな音世界で、誰しもが共感しうる思春期性を秘めている。

終盤に差し掛かると、「デッドマンズチェイス」「カウンターアクション」といったキラーチューンの連投に会場の熱気は最高潮に。長谷川プリティ敬祐は聴衆を大いに煽り、牧 達弥はギターソロ中にフロアへとダイブ。センター・マイクに向かって3人で歌ったりと、その空間にいるだけでじんわりと身体が汗ばむようなカタルシスを迎える。分離良く突き抜ける牧 達弥のテレキャスター、硬質なミッド・レンジで多幸感を生み出す柳沢進太郎のストラトキャスター、地を這うような長谷川プリティ敬祐の図太いベース・ライン、時に立ち上がって叩くなどエモーショナルなジェットセイヤのドラミング(Dr)。凄まじいロックンロールの熱風が吹きすさんだかと思えば、「おはようカルチャー」では牧 達弥の雄大な歌声が会場を包み込む。

アンコールでは新曲と、会場いっぱいのタオルが回る「ヒートアイランド」を披露し、終始最高のテンションと一体感で駆け抜けたgo!go!vanillas。音楽、そして楽器の深淵さ、音を共有する喜びを改めて教えてくれる彼らの音楽は、性別も年代も越境してこれからも止むことなく轟き続けるに違いない。そう確信させる、魔法のようなステージだった。

› American Vintage ’58 Telecaster 製品ページ

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