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「TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2018 夏が来た!~YOKOHAMA STADIUM 30 Times~」

8月25日(土)横浜スタジアムにて開催された「TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2018 夏が来た!~YOKOHAMA STADIUM 30 Times~」の模様をレポート。

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1988年8月17日の第1回目から毎年恒例(1990年を除く)で行われてきた横浜スタジアム公演。通算30回目を数えた今年は、「TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2018 夏が来た!~YOKOHAMA STADIUM 30 Times~」と称されて8月25日(土)に開催された。

開演前から会場では“TUBEコール”が発生。声援が鳴り止まぬ中、前田亘輝(Vo)はアイスキャンディー売りの姿で自転車に乗りながらの登場。「8月も終りなのに、まだまだ夏だね~」という掛け声から「夏だね」でライヴはスタートした。春畑道哉(Gt)はSky Burst MetallicのAmerican Elite Stratocasterをプレイ、クリアなトーンとクランチ気味のトーンを絶妙に使い分け、ポップな曲想に沿ったバッキングと骨太なサウンドのソロを聴かせる。

MCでは、「いろいろな人から30回目と聞く度に、我々メンバーは、ちゃんとしないといけないというプレッシャーに駆られて、今までで一番緊張しています」と、ライヴへかける真摯な思いを吐露した。その後、第1回目のオープニングナンバーだった「夕方チャンス到来」や、サーフミュージックっぽさも感じさせるアコースティックレゲエ「オラシオン〜君に恋した夏〜」など、さまざまなタイプの楽曲を披露。ブレイクスルーナンバーの「シーズン・イン・ザ・サン」では、中音域を強調した16ビートのファンクスタイルのカッティングで、ソウルフルな顔ものぞかせる。Stratocasterらしく、ヴァーサタイルな楽曲スタイルにその都度的確なサウンドを生み出していた。

日が沈んだ中盤では、メンバーがカホンやウクレレなどの楽器に持ち替えてアコースティックセットに。「夏を抱きしめて」や「青いメロディー」をフォーキーでラウンジーなアレンジで披露。春畑道哉は「海のバラード」など2曲でピアノも担当した。

「J'S THEME 25th ver.」では、発表されたばかりの春畑道哉の日本製シグネイチャーモデルMichiya Haruhata Stratocasterでプレイ。低音域から高音域までずっしりとした太めのトーン、ダブルロッキングトレモロシステムによる滑らかなアーミング、ブルージーでありながらもテクニカルなフレーズも組み込んだ細密に構築されたメロディーライン。声が聴こえてくるかのような歌心溢れるギタープレイに大きな歓声が上がる。

そして、メンバー&サポートメンバーの計8人全員がベースで加山雄三「海 その愛」を演奏するというベース普及委員会の映像に続いて、何と加山雄三本人がお祝いに登場。「30回目も公演はすごいよね。思わず駆けつけちゃった」と前田亘輝と握手を交わした。「夜空の星」では、加山雄三から前田亘輝と松本玲二(Dr)が彼のギターを借りて、春畑道哉とサポートメンバーの遠山哲朗(Gt)を加えたギターカルテット編成で演奏。クランチ気味ながらも、ベンチャーズサウンドに近いリバーブたっぷりのサウンドに春畑道哉のセンスを感じさせた。

後半のラストスパート「夏が来る!」「恋してムーチョ」で会場は一体となり、オーディエンスから熱い声援が飛んでいた。中でも、「海の家」でのオクターバーを使用したソロは、春畑道哉のルーツを感じさせるような気持ちの入ったライン。Stratocasterらしいヌケの良いトーンが、彼のフレーズをより際立てていた。屋外球場という音が拡散してしまう性質の会場であるにもかかわらず、高音域から低音域までバランス良くオーディエンスに届いており、エンジニアの努力もさることながら、春畑道哉のサウンドメイキングに感嘆とさせられてししまった。

アンコールでは、副音タッピングや高速フレーズなどメタルの影響も感じさせる春畑道哉のソロギターからスタート。「LOVE BEACH」での舞い上がるジェット風船や、「You'll be the champion」での炎を吹くゴンドラと打ち上げ花火など、ド派手な演出にオーディエンスの熱気はさらに上昇していく。2度目のアンコールでは、ハードなディストーションサウンドによるニュアンスたっぷりのオブリガートで楽曲に彩りを加える。4人の圧倒的なパフォーマンスに、オーディエンスは大興奮で幕を閉じた。

ところが、ここで思わぬハプニングが。当日はWOWOWでライヴを生中継していたのだが、放送時間が10分余ってしまったとのことで、何とトリプルアンコールで登場。松本玲二のキュートなダンスを披露したが、さすがに10分持たせるは厳しいとのことで、最後に「ゆずれない夏」を披露することに。「どうやって始まるんだっけ?」という会話も漏れたが(笑)、始まると一体感溢れる演奏を聴かせる。昭和から始まったTUBEの横浜スタジアム公演。平成を駆け抜け、来年は新元号となり、3つの時代をまたにかけた長寿イベントとして今後も続いていくことだろう。


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(Photo by Eiji Shimamura)

セットリスト
1.夏だね
2.Let's go to the sea~OASIS~
3.Beach Time
4.夕方チャンス到来
5.シーズン・イン・ザ・サン
6.オラシオン~君に恋した夏~
7.My sunny day
8.Summer Greeting
9.夏を抱きしめて
10.青いメロディー
11.潮風の中で
12.海のバラード
13.灯台
14.J'S THEME(Jのテーマ)25th ver.
15.彼女は夏のデザート
16.海 その愛
17.湘南My Love
18.夜空の星
19.夏が来る!
20.海の家
21.恋してムーチョ

ENCORE 1
1.LOVE BEACH
2.夏番長
3.ジラされて熱帯
4.You'll be the champion

ENCORE 2
1.あー夏休み
2.Hot Night

ENCORE 3
1.ゆずれない夏


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