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藍井エイル Special Live 2018 ~RE BLUE~ at 日本武道館

2018年8月16日(木)日本武道館にて行われた「藍井エイル Special Live 2018 ~RE BLUE~ at 日本武道館」の模様をレポート。

Eir Aoi

2016年11月、同じく日本武道館でのライヴで活動休止期間に入った藍井エイルだが、ファンの前でパフォーマンスを行うのは実に1年9カ月ぶり。会場には巨大な白いモニュメントが設置され、LEDスクリーンには青い光が鼓動のSEとともに脈打ち、開演時間に近づくにつれてその光が徐々に大きくなっていく。客電が落ち、これまでのMVが走馬灯のように流れると火柱が上がり、純白のロングドレスに身を包んだ藍井エイルがステージに登場。ファンが手にしたサイリウムライトが一斉に光り、青い絨毯のような幻想的な光景が目の前に広がる。

1曲目は、彼女が休養中に感じた心情を綴った「約束」。ファンへの感謝の気持ち、そして再出発を誓ったこの曲は、まさに復活の狼煙として相応しい楽曲だ。しなやかで力強い歌声は、客席から沸き起こる大きな歓声と相まって会場いっぱいに広がる。白いドレスから青いドレスへと瞬時に着替えると、とてつもなく大きな歓声で会場を揺らした「IGNITE」「AURORA」を披露。クリスタル素材があしらわれたドレスは、ステージ上で彼女が無邪気に回るたびにプリズムな輝きを放つ。「こんばんは! そしてただいま!」と挨拶すると、彼女の復帰を待ちわびたファンからは「おかえり!」と祝福の声が。「武道館の声を聞かせて!」と呼びかけると、「アヴァロン・ブルー」「MEMORIA」「アカツキ」を情感たっぷりに歌い上げた。

休止中は一人旅や自然と触れ合うなど、これまでしてこなかった新しいチャレンジに取り組んできたという彼女。音楽でも成長したいという想いから、チャレンジの一環として新たに始めたのが“エレキギター”。「このギター、かわいいでしょ?」と手に取ったのはMade In Japan Traditional 60s Telecaster® Custom。“青が映えるように”という理由で選んだのはブラックボディで、通常ホワイトのピックガードをブラックピックガードに交換したというこだわりが詰まった1本だ。ピックガードに刻まれたピッキング傷を見る限り、相当練習したに違いない。新しい相棒を手にした彼女はどこか誇らしげで、その姿がスクリーンに映し出されると客席からは“おぉー!”という驚きの声が上がる。

Telecaster®を手に披露したのは「KASUMI」。ローコードを中心に、カッティングも織り交ぜながらギターをかき鳴らす姿はとても凛としている。クランチ気味にセッティングされたサウンドは、いわゆるTelecaster®の王道を行くような分離感と歯切れの良さ、そしてきらびやかさを持った珠玉のトーンで、1曲の中でも表情を多彩に変える彼女の歌声に寄り添いながら、バンドアンサンブルを色付けするように溶け込んでいる。Telecaster®は歌いながらギターを弾くいわゆるヴォーカル&ギターから高い人気を誇るが、その理由が改めてわかった気がした。

ダンサーとともに振り付けを踊りながら歌った「レイニーデイ」では、上手と下手に伸びた花道を1階席ギリギリまで歩み寄り、ファンとの距離をさらに縮めていく。ピアノの旋律が荘厳な物語のように響く「GENESIS」では、黒い衣装に身を包んだダンサーたちが大きな黒い布をはためかせ、徐々に熱量を増していくソロ回しを経て、火柱とともにヘヴィなリフが鳴らされたと思いきや、今度は黒を基調としたエレガントな衣装で登場した藍井エイル。

「復帰第一弾シングルの『流星』は決意がテーマで。壁にぶつかった時、時分の弱さと向き合わないといけない。向き合って自分にできることは何だろう?と思いながら作りました」。当時の気持ちを吐露すると、光を感じるような力強いロックチューン「流星」を披露。「想いをもっとつなげていきましょう!」という呼びかけで始まった「ツナガルオモイ」では、この日一番のファンとの掛け合いを見せた。

「素敵な歌声をどうもありがとう。私には感謝を伝えたい人がたくさんいます。これからも歌に感謝を込めて歌っていきます」。そう決意を誓った「虹の音」では、“ありがとう”という言葉が温かく、大きな力を持ってどこまでも鳴り響くようだった。

本編終了後、15枚目のシングル「アイリス」を10月24日に発売することを発表。アンコールではダンサーとともにステージを右に左に駆け巡りながら、聴き手ひとりひとりに訴えかけるように真摯に歌を紡いでいく。ラストは、ベーシストの黒須克彦(Ba)が藍井エイルの復帰まで彼の愛称である“ローリン”を封印していたことに感銘を受けたと話し、そんな彼への想いのお返しも込めて、彼が作曲した「ヒトカケラの勇気」を熱唱。「今日は本当に本当に本当に本当に本当にありがとうございました! 大切な人を忘れません。待っててくれてありがとう、新しい景色をまた見つけよう」。感謝に包まれた温かなライヴは、ファンとともに元気いっぱいに叫んだ5回に渡る“エイエイルー!”で幕を閉じた。


Eir Aoi

Eir Aoi

Eir Aoi

セットリスト
01.約束
02.IGNITE
03.AURORA
04.アヴァロン・ブルー
05.MEMORIA
06.アカツキ
07.KASUMI
08.アクセンティア
09.レイニーデイ
10.GENESIS
11.シューゲイザー
12.流星
13.ラピスラズリ
14.翼
15.シンシアの光
16.INNOCENCE
17.ツナガルオモイ
18.虹の音

ENCORE
01.シリウス
02.ヒトカケラの勇気


› 藍井エイル:http://www.aoieir.com/