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「CONNECT歌舞伎町MUSIC FESTIVAL 2018」レポート

2018年5月13日(日)新宿のライヴハウス等10会場にて行われたサーキットイベント「CONNECT歌舞伎町MUSIC FESTIVAL」の模様をレポート

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近年のバンドシーンにおいて、次世代を担うアーティストの登竜門となっているのがサーキットイベントであることは、もはや言うまでもない。しかし、より大きなステージでプレイすることを目指す彼らの中でも、その夢を本当に叶えることができるのはほんの一握りだ。では、それを実現するアーティストの“理由”はどこにあるのか? フェンダーでは今回、“Play Something Different”というメッセージを持つCalifornia Seriesからインスパイアを受け、その“理由”が“Play Something Different(=他と違う)”にあるのではないか?と仮定し、次世代アーティストたちの手にCalifornia Seriesを届けるプロジェクトを実施。出演アーティストのほとんどがエレキサウンドであったが、その中であえてアコースティックサウンドを取り入れた“Play Something Different”なアーティストたちのレポートを届けたい。


“東洋一の歓楽街”と呼ばれる歌舞伎町には数多くのライヴハウスが存在し、毎夜どこかのハコが熱狂に包まれている。そんな音楽も盛んな歌舞伎町のライヴハウスと地元商店街がタッグを組んで行う街中音楽フェス「CONNECT歌舞伎町MUSIC FESTIVAL」が3回目を開催。老舗ホストクラブ「愛本店」を含む10会場にて、100組以上のアーティストが出演した。

SAMURAIに登場したのは、北海道出身の女性シンガーソングライター“日向文”。黒の衣装にまとった彼女が手にするのは、同じくブラックボディが精悍な印象を与えるフェンダーのMalibu Special。小柄なボディながらきらびやかなトーンを生み出すMalibu Specialは、瑞々しくも無垢な彼女の歌声にベストマッチ。脆さと美しさを兼ね備えた歌声に寄り添い、楽曲という名のパレットに鮮やかな色を描いていく。

アコースティックギターをまるでパーカッシヴ楽器のように叙情的にかき鳴らす「ブラックアウト」、“そこらへんの女子に捧げます”というMCから始まった「秘密」では指弾きによるアルペジオで弾力のある音色を奏で、子守歌のように優しく語りかける「他人」では悲哀に満ちた歌で観客を魅了。小さな日常を、独自の視点でつぶさに紡ぐ繊細な音世界に、誰もが酔いしれている様子だった。

日向文:https://hinata0320aya.jimdo.com/


LOFTに登場したのは、岐阜発の4人組バンド“鳴ル銅鑼(ナルドラ)”。RO69JACK 2014優勝、2016年にリリースされた2nd EP「文明開化」が第9回CDショップ大賞2017東海ブロック賞を受賞するなどその実力は折り紙つき。その中でも三輪和也(Vo,Gt)が持つ天性の色気は突出しており、日本語の美しさを追求した歌詞、グルーヴに溢れる演奏も手伝って妖艶な世界観を構築。胸を焦がすほどの愛の歌「道連れ」、蒲信介(Gt,Cho)のハーモナイザーやグローバル徹(Ba)の粘りのあるベースラインが特徴的なダンサブルチューン「化学舞踊」など、絶妙なアンサンブルで魅了。

バンドセットでは初披露となった「空蝉」で、三輪和也が手にしたのはフェンダーのNewporter Special。特別にデザインされたミドルサイズのボディシェイプで、ボディもヘッドも黒で統一されたクールなルックスは鳴ル銅鑼の音楽にもぴったり。ドラマティックで洗練された楽曲を、優しく包むような音色で彩っていく。「みなさんの未来が明るいように。同じ空間に出会ってくれてありがとう」と三輪和也は素直な想いを話し、ラストはディレイやロングトーンを駆使したフレーズを積極的に取り入れた壮大な「アステロイド」で幕を閉じた。聴く者の足下を照らすような流麗な楽曲に、会場にいた誰もが胸を強く打たれたはずだ。

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鳴ル銅鑼:http://www.narudora.jp/


Zirco Tokyoに登場したのは、“ヨコユレパーリーバンド”を掲げてソウルやブラックミュージックを主軸とした楽曲を届ける大阪の6人組、YOKOYURE。マツシマヨウヘイ(Vo,Gt)がフェンダーCaliforniaシリーズのMalibu Classicを手にし、アーバンなナンバー「L-train」でスタート。グルーヴィなアンサンブルで観客を虜に。Precision Bassの太く芯のあるサウンドや粘りのあるプレイで魅了するtakugie(Ba)などリズム隊がバンドを支え、サックスやキーボード、そしてaquvidivivadoo(Vo,Ukulele)とマツシマによるハーモニーも相まって、表情豊かなサウンドを作り上げていく。

上モノが多い中、Malibu Classicは個性的溢れる煌びやかな音色で存在感を発揮。マツシマがアコギをゆっくりと鳴らして始まった「Any」ではMalibu Classicによって、しとやかな雰囲気が醸し出される。また、間奏で使用したエフェクターとの相性も抜群で幅広いプレイを披露。コード弾きではパワフルなサウンドが会場を満たし、指弾きで爪弾いたときは艶のある温かな音色で楽曲を彩っていた。

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YOKOYURE:http://yokoyure.com/


続いて紹介するのは、Marbleに登場した青春パンクバンド、ユタ州。観客はOiコールでメンバーを迎え入れ、熱気は一気に頂点に! 1曲目「先輩、ハミです 」からモッシュが発生し、犬(Ba)はJazz Bassを弾きながらステージを動き回ったり全力の顔芸で盛り上げ、ロング(Gt)はStratocasterを弾きながらフロアへダイブ。その後も「27さい」「虎と太陽」「今日から俺は」「ダブンガ」と、ターキー(Vo)のぶとの熱いボーカルとパッション溢れる楽器隊の演奏でフロアを沸かす。

ラストは、ターキーがCaliforniaシリーズのMalibu Specialを手に歌い上げた「カレーライス」。粒立ちが良く、激しくかき鳴らしても一音一音の輪郭がはっきりしていて、さらに小ぶりなボディからは想像できない力強さを持つMalibu Specialのサウンドは、ハートウォーミングなこの曲にピッタリ。Stratocasterの甘いトーンと絡み合いながら歌を支える。終盤では、ターキーが奏でるMalibu Specialの音色に乗せて、観客同士が肩を組んで大合唱。一体感のある、温かな雰囲気に包まれてライヴを締めくくった。

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ユタ州:http://32.xmbs.jp/yutasyu/


雨天にも関わらず多くの観客が歌舞伎町に足を運び、全国各地から集まったアーティストが生み出す音楽に身を委ねていたこの日。どの会場もライヴハウスの色が出たラインナップが特徴的で、朝から晩まで熱気に満ちていた。


CALIFORNIA SERIES™ ACOUSTIC GUITARS